ここでは、歴史的建築や近現代建築や現在の建築の問題を紹介します。

ヴィラ・アドリアーナ

ローマ帝国ハドリアヌス帝が118〜138年にかけて建てた広大な別荘跡でローマ近郊のティヴォリにある。ギリシャのアテナイのアゴラにあった彩色柱廊(ストア・ポイキレ)を模したポイキレ、エジプトのアレクサンドリアとカノポスを結ぶ運河を模し、彫刻が並ぶ細長い池と神殿から成るカノポスなど、帝国領土内の各所を偲ばせる建物がある。ルネサンス、バロック期の建築家をはじめル・コルビュジエ等々多くの建築家がこの遺跡を訪ね、自らの建築デザインのソースにしたと言われる。その経緯を知り体験した時に、はじめて「なぜ歴史的建築を見るのか」という問いの答えがわかるのかもしれない。